「なんかあのトラック、引越し業者のとちがうんじゃない?スタッフの手つきもおぼつかないし、一体どうなってんの?」と、過去の引越しで不満をいだいたこと、ありませんか?

こんにちは。外注先の運送会社のトラックとそのドライバーには、いつも手を焼いていた、元引越し業者スタッフの管理人です。

今、この「外注先の運送会社」という言葉を読んで、びっくりされた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか。

そうです、引越しに来るトラックが、必ずその引越し業者のトラックとは限りません。

ドライバーや作業員だってそうです。その引越し業者の正社員とは限りませんし、アルバイトや派遣社員は当然のようにいます。

ですから、引越しの見積もりの際には、必ず当日に作業を担当するスタッフとトラックについて、引越し業者の営業員に確認してください。

また、見積書に、引越し業者の営業員との打ち合わせで決まったスタッフとトラックが記載されているかも、併せて確認してください。

もし見積書に記載されていない場合は、営業員にしっかりと記載してもらうようにしてください。

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引越し業者のスタッフの人数とトラックの種類・数を確認する

メガネをかけた主婦

見積もりの段階で最低限スタッフの人数とトラックの種類=容量と数を確認する

引越し業者のスタッフの人数・トラックの種類・数は、料金・価格を決める重要な要素です。

また、当日の作業の早さ・品質を決める要素でもあります。

ですから、見積もりの段階で、必ずこの点を引越し業者の営業員に確認してください。

悪質な業者の場合は、これらをごまかすこともあります。

見積書のスタッフの人数・トラックの種類・容量は相見積もりで利用する

スタッフの人数や荷物の量=トラックの種類・容量は、相見積もりの際にも、よく比較検討してください。

引越し業者によっては、人数やトラックの大きさがことなることがあります。

特に、他の引越し業者と比べて、極端に人数が多い場合やトラックの容量が多い場合は、見積もりが甘い可能性もあります。

このような場合は、他の引越し業者の見積もりを引き合いに出して、人数の削減やトラックの変更の交渉をしてみてください。

場合によっては、料金が大幅に安くなることもあり得ます。

また、逆に、極端にスタッフの人数が少なくして、料金・費用・値段を安くする引越し業者もあります。

ただ、人数が少ないということは、ひとりひとりのスタッフへの負担が大きくなるということです。

これは、事故の原因にもなりかねません。

こういった引越し業者を「安いから」という理由で利用した場合は、事故が起こってしまい、「安物買いの銭失い」となることもあります。

引越し業者が派遣社員・アルバイトを使うかどうかを確認する

人差し指を立てる主婦

派遣社員は「引越し作業の経験が浅い・無い」がほとんど

繁忙期(特に2月後半から5月のゴールデンウィーク)には、人手不足から、引越し業者では、派遣社員を使わざるを得ません。

通常、派遣社員は作業の経験が浅いことがほとんどで、場合によっては引越し作業の経験がない、という人も普通にいます。

厳しい言い方をすれば、派遣社員は、単なる「人数合わせ」として、見積書に書いている人数だけ揃えているにすぎない、ともいえます。

このような、引越し作業の経験が浅い、または、経験が無い、頭数を揃えるだけの派遣社員は、事故の原因となります。

このため、派遣社員を使うのかどうかを必ず確認し、場合によっては、派遣社員を使わないように交渉してみてください。

アルバイトの場合は経験豊富なこともある

このような、引越し作業の経験が浅い、または無い、という事情は、アルバイトについても同様です。

ただ、アルバイトの場合は、急場しのぎの派遣社員とは違って、経験が豊富で能力が高い場合もあります。

極端な場合、正社員や契約社員と変わらないこともあります。

このため、引越し業者の営業員には、見積もりの段階で、なるべく経験豊富なアルバイトを使ってもらうように要請してみてください。

繁忙期の引越しではアルバイト・派遣社員が当たり前

繁忙期の引越し業者は引越しの件数があまりにも多いため、常に人手不足となり、人材の確保には苦労します。

ですから、自然と、経験が浅い、または無い派遣社員やアルバイトの数は、どうしても多くなってしまいます。

逆にいえば、経験豊富なアルバイトは、各地の引越しの現場に散らばってしまいます。

具体的には、1チームに1人いればいいほうです。

このため、よほどスケジュールに余裕がある日でない限り、「なるべく経験豊富なアルバイトを使ってもらう」という希望は受け入れられません。

下請け業者・外注先のトラックを使うかどうかを確認する

強く要求する主婦

「得体の知れないトラック」が来る

繁忙期(2月後半から4月後半)に限らず、引越しの件数が多い日には、トラックが不足しがちです。

こういう忙しい日は、引越し業者は、自前のトラックだけでは、たくさんの引越しをさばききれません。

このため、引越し業者としては、やむを得ず、下請け業者・外注先の運送業者のトラックを使わざるを得ません。

そうすると、引越し当日には、頼んだはずの引越し業者のロゴマークが入ったトラックは来ません。

その代わりに、よく知らない運送会社のトラックが来ます。

おそらく、初めてそういう経験をされたお客さまはびっくりされたでしょうが、こういう話は、実はよくあります。

下請け業者・外注先のドライバーは引越し作業になれていないために事故の原因となる

こういった、下請け業者や外注先のトラックを単に使うだけであればいいのですが、実際はそうはいきません。

じつは、こういうトラックのドライバーは、見積書に書かれたスタッフの人数の1人としてカウントされています。

ですから、実際にトラックの荷台で作業をします。

ところが、このような下請け業者は、引越しの作業の経験が浅い物流業者(積み込み作業ができない)であることがあります。

引越しの荷物の積込みは、物流の荷物の積込みと比べて難しいものです。

経験が浅いドライバーが積込むと、荷崩れなどの事故が発生する可能性があります。

下請け業者・外注先のドライバーが働いてくれないことも

下請け業者の運転手の中には、トラックへの荷物の積み降ろししかせず、室内での作業をしない者もいます。

すでに述べたとおり、トラックのドライバーは、見積書では1人のスタッフとしてカウントされています。

にもかかわらず、荷台から降りず、トラックから離れずに、室内の引越し作業をしない、ということがあります。

つまり、引越し業者のドライバーよりも少ない仕事量であるにもかかわらず、同じ人件費を払わなければならなくなります。

それだけ、料金・費用としては割高ということになります。

見積もりの段階で下請け業者・外注先を使わないように要望する

このように、下請け業者や外注先のトラック・ドライバーは、いいことがありません。

ごくまれに、繁忙期でない、普段の土日は引越し作業をしている下請け業者や外注先のドライバーもいることはいます。

ただ、このような下請け業者や外注先のドライバーは、非常にレアなケースです。

特に繁忙期ではまったく期待できません。

このような事情があるため、見積もりの段階で、引越し業者の営業員に、下請け業者・外注先のトラック・ドライバーを使うのかどうかを確認してください。

また、使ってほしくない場合は、引越し業者自前のトラックとドライバーを使うように要望してみてください。

ただし、繁忙期の場合は、そのような要望がとおらない可能性が高いですし、別途料金が発生する可能性もあります。

見積もり内容・見積書と話が違う場合は値引き交渉をする

怒る主婦

「話が違う!」場合はその時その場で引越し業者と交渉を

作業当日に引越し業者のスタッフとトラックを確認した際に、見積もり内容や見積書の記載と話が違うこともあります。

この場合は、黙っていないで、その時その場で、必ず「話が違う」ことを引越し業者のチームリーダーや営業員に申し出てください。

このような場合、値引き交渉ができることもあります。

特にありがちなのが、人数が足りない場合です。

これには、スタッフ個人の遅刻、派遣会社・引越し業者の派遣社員の手配ミス、アルバイトが出勤しない、などの理由があります。

人数が足りない場合は、スタッフの補充を頼んだとしても、補充されるスタッフは、派遣社員や経験の浅いアルバイトがほとんどです。

このため、スタッフの補充よりは、値引き交渉のほうがいいでしょう。

「値引き」は標準引越運送約款にもある正当な権利

なお、スタッフが足りない場合は、引越し業者は値引きをしなければならないようになっています。

遠慮なく値引きを請求してください(標準引越運送約款第19条第3項ただし書き、第4項第1号)。

第19条(運賃等の収受)
1 当店は、荷物を受け取るときに見積書に記載された支払方法により、荷送人から運賃等を収受します。
2 当店は、次の事項を記載した請求書に基づき運賃等を請求します。
(1)運賃等の請求相手方の氏名又は名称、住所及び電話番号
(2)発送地及び到達地の地名、地番及び連絡先電話番号
(3)運賃等の合計額及びその内訳(運賃等の内容ごとに区分してわかりやすく記載します。)
(4)当店の名称、住所、電話番号及び問い合わせ窓口電話番号
(5)その他運賃等の収受に関し必要な事項
3 前項各号について、当店は見積書に記載した内容に準拠して記載します。ただし、見積りを行った後に当該内容に変更が生じた場合は、当該変更に応じて所要の修正を行います。
4 前項ただし書の場合において、変更が生じた結果、実際に要する運賃等の合計額が見積書に記載した運賃等の合計額と異なることとなった場合の修正については、次の各号に基づき行います。
(1)実際に要する運賃等の合計額が見積書に記載した運賃等(以下「見積運賃等」という。)の合計額より少ない場合 実際に要する運賃等の合計額及びその内容に修正します。
(2)実際に要する運賃等の合計額が見積運賃等の合計額を超える場合 荷送人の責任による事由により見積運賃等の算出の基礎に変化が生じたときに限り、実際に要する運賃等の合計額及びその内容に修正します。
(第5項省略)
出典:国土交通省「標準引越運送約款」

まとめ

引越し業者の営業員といえば、あまりいいイメージを持っていないお客さまもいらっしゃることと思います。

管理人が知っている限りでは、それほど悪質な営業員は滅多に見かけたことはありませんが、中にはそういう「イメージ」どおりの営業員もいるのでしょう。

引越し業者の営業員は、会社にもよりますが、営業成績によって、給料・ボーナスが変わるような給与体系になっています。

当然ながら、数字を追い求めるあまり、お客さまが引越しに慣れていない、あるいは知識不足なことにつけ込んで、営業するスタイルの営業員もいます。

こうした営業員は相手にしないのが一番です。

…が、どんな営業員に見積もりを依頼するにしても、何も準備していなければ、いいように丸め込まれます。

引越し業者の営業員に丸め込まれないようにするには、事前の情報収集で引越し業者の営業員との知識・情報の格差をなるべく縮めることです。

この記事で触れている内容は、見積もりの時点で注意するべきことの、ほんのわずかのこと(ですが重要なこと)でしかありません。

ぜひ、他の関連記事もご覧になって、見積もりの前に、引越し業者の営業員と互角に渡り合えるだけの知識を身に着けておきましょう。