「ついに念願の新築一戸建てのマイホームへの引越し!一生モノの財産だからこそ、慎重に引越ししないと…」と、緊張していませんか?

こんにちは。新築一戸建ての引越しは、お客さま以上に緊張していた、元引越し業者スタッフの管理人です。

新築一戸建ての建物への荷物の搬入作業では、事故のリスクが非常に高い、という特徴があります。

もっと正確にいえば、建物が新築なために、事故が「見つかりやすい」のです。

具体的には、建物のキズ・ヘコミ・汚れの事故が発生しやすいです。特に、床、壁、階段などは、事故がおこりやすい箇所です。

このうち、室内の階段は、引越しの作業の中でも、最も床・壁・家具・大型家電のキズ・ヘコミ・汚れなどの事故が起こりやすい場所のひとつです。

このため、引越し業者には、壁・床の養生を徹底してもらうことが重要です。

また、引越し作業の前後に建物の状態の確認を怠らないようにします。

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高品質な引越し業者・プランを利用する

子持ち夫婦と引越し業者営業員の見積もり

荷物の搬入による壁や床のキズ・ヘコミなどの事故に備える

新築一戸建ての建物は、いわゆる「終のすみか」となる可能性があります。

いったん引越しが終わったあとは、特別な事情がない限り、荷物を搬出することを考える必要はありません(もちろん、家具や家電製品の買い替えはあるでしょうが)。

つまり、事故が起こる可能性があるのは、荷物を搬入する場合に限られます。

このため、荷物の搬入の際に事故がおこらないように、なるべく高品質なサービスの引越し業者・プランを利用するべきです。

転勤や子供の進学・独立の時期を考慮して引越しする

ただし、仕事で転勤する可能性がある場合は、一時的に一戸建てから引越しする可能性もあります。

また、子供が進学した場合や独立した場合にも、部屋から荷物を搬出する可能性があります。

場合によっては、子供の独立後は、家を売却したり、他人に賃貸することも考えられます。

このような場合は、再度すべての荷物を搬出することになります。

よって、これらの可能性が高い場合は、荷物の搬出のことも考えて、あまり手間のかかるような方法(窓吊りなど)での荷物の搬入はしないほうがいいでしょう。

引越しの前に壁・床のキズの有無をチェックする

チェックする主婦

新築一戸建てでもキズはあるもの

新築一戸建ての引渡しを受ける際、壁・床のキズの有無をチェックしてください。

キズのチェックの結果、壁や床にキズがあった場合は、施工を請け負った住宅メーカー、建設業者、あるいは不動産業者と補修の交渉をしてください。

一般的に、建築業者の職人がどんなに慎重に内装工事をしたとしても、細かなキズはあるものです。

このようなキズが許容範囲であれば構いませんが、そうでない程度の大きなキズであれば、当然補修をしてもらうべきものです。

このようなキズは、法律用語では「瑕疵」といい、このようなキズを直すべき責任のことを瑕疵担保責任といいます。

工事を担当した建築業者や売主である不動産業者には、この瑕疵担保責任を果たす=キズを直す責任があります。

引越しの事故に備えて「キズがない」状態の証拠=写真を撮っておく

家の壁や床にキズがなかった場合であっても、安心せずに、必ず写真を撮っておいてください。

これは、引越しの作業で壁・床にキズがついた場合に、引越し業者と補償交渉をする際の証拠とするためです。

この際、必ずスマホやデジカメではなく、フィルム式のカメラで写真を撮ってください。使い捨てカメラやインスタントカメラで大丈夫です。

スマホやデジカメの写真は加工が容易なため、補償交渉の際の証拠としては使いづらいからです(何もないよりはマシですが)。

引越し業者としては、新築一戸建ての建物のキズの修復はかなりの修理費がかかるため、そう簡単に修理には応じません。

この際、引越し業者を説得するためには、「キズがなかった」という証拠が重要となります。

引越し前にはキズがなかった家の壁や床にキズがついている、ということは、引越しの作業で壁や床にキズがついた、という推測が成り立ちます。

この推測を間接的に補強する証拠が、「キズがなかった」状態の写真です。

ですから、なるべく事前に壁・床のキズをチェックしたうえで、使い捨てカメラやインスタントカメラで写真を撮っておいててください。

新築一戸建での荷物の搬入では壁・床・階段の養生に注意

床

特に階段の事故に注意

新築一戸建てへの荷物の搬入作業では、引越し業者には、壁・床・階段の養生を徹底してもらってください。

これらの箇所は、非常にキズがつきやすい箇所です。

特に、室内の階段は、最も事故が起こりやすい場所です。その原因は以下のとおりです。

  • 狭いので壁に家具(特に幅の広い家具。和ダンスなど)が接触する。
  • 階段での作業なのでスタッフがふらついたりバランスを崩したりして、特に重い家具を接触させやすい。
  • 狭い場所で荷物を持ち上げる必要があるため、想像以上に腕力が必要となり、荷物を落としたり、バランスを崩して荷物を壁に接触させやすい。
  • 大きな家具・家電製品(特に冷蔵庫)を運ぶ際に階段の踊り場での方向転換のためいったん荷物を置くことにより、床にキズがつきやすい。
  • 曲がり角ではギリギリの幅で家具・家電製品を回すため、壁にすりキズがつきやすい。
  • 吹き抜けになっていない場合は、天井に背の高い家具(主に洋服ダンス)が接触してキズがつきやすい。
  • 床を養生するマットを新しい靴下で踏むため、滑って壁にぶつかる。

特に2階に台所・キッチンがある場合に、階段で冷蔵庫を運んだ場合は、高い確率で壁・床、または冷蔵庫にキズがつく事故が発生します。

こんのため、2階に台所・キッチンがある場合は、特に注意して壁・床の確認と写真を撮っておいてください。

畳の汚れに注意

また、和室がある場合は、汚れた靴下による畳の汚れにも注意してください。

通常、大手の引越し業者は、引越し先(新居・卸地)の建物に入る前に新品の靴下に履き替えるサービスをおこなっています。

ただ、すべての引越し業者がそのようなサービスをしているとは限りません。

また、大手の引越し業者であっても、スタッフがうっかり新品の靴下を忘れてくることもあります。

このため、汚れた靴下でそのまま作業をしてしまい、靴下の汚れが畳に移ることもあります。

特に雨の日の引越しの場合は、靴下が濡れてしまいます。汚れたうえに濡れた状態の靴下で新品の畳を踏むと、まず間違いなく汚れがつきます。

養生資材から移る壁の汚れに注意

また、養生用の資材(特に壁紙用)が新品であるかどうかを必ず確認してください。

一般的に、新築の建物への引越しの場合、大手の業者は、新品の使い捨て資材で養生をして、壁に汚れがつかないようにします。

しかし、引越し業者によっては、新築の建物への搬入にもかかわらず、中古の資材や使い回しの資材で養生することがあります。

この際、資材が汚れていた場合は、その汚れが壁紙に移ることがあります。

特に、繁忙期の場合は、新品の養生資材が足りなくなり、やむを得ず中古の養生資材を使う場合もあります。ですから、繁忙期の場合は、特に注意が必要です。

このため、見積もりの際に引越し業者の営業員に必ず養生に使う資材が新品かどうかを確認してください。

重要なことは、営業員に「この客はうるさい人だ」と認識させることです(ですからしつこく念を入れて確認するべきです)。

そういった細かい情報は、営業員が伝達事項として作業指示書等に記載しますので、スタッフにも伝わります。

結果として、当日の丁寧な作業と無事故の引越しにつながります。

新築一戸建ての引越しでありがちな養生テープによる塗装の剥げ・無垢材の毛羽立ち

養生テープ

養生テープは貼ってはいけない場所がある

意外に見落としがちな事故として、養生テープを剥がす際に、塗装が一緒に剥がれ落ちたり、木材(特に無垢材)が毛羽立つことがあります。

引越し業者は、壁を養生する際に、養生テープを使って養生用の資材(板ダンボールや巻きダンボールなど)を建物に固定します。

この際、ドアノブなどの金属部分、電源の差込口(コンセント)や照明スイッチなどのプラスチック部分など、塗装されていない場所に養生テープを貼ります。

これは、当然、他の場所に貼ることによって、テープを剥がす際に塗装が剥げたり、木材(特に無垢材)が毛羽立たないようにするためです。

しかし、そう都合よく養生テープを貼っていい箇所がない場合もあり、どこに養生テープを貼っていいか、迷うこともあります。

ベテランスタッフでないと防げない養生テープによる事故

この場合、ベテランのスタッフであれば、貼っていい場所の見極めや、養生テープを貼らずに養生用の資材を固定することなどができます。

しかし、経験の浅いスタッフは、そのようなことができません。

そもそも、経験の浅いスタッフは、「養生テープを貼ってはいけない場所」があるとは思っていないことがあります。

こうした誤解により、壁紙やペンキによって塗装されている場所に養生テープを貼ることもあります。

このため、養生作業の際には、どこに養生テープを貼っているのか、よく見ておいてください。

新築一戸建てでの引越しでは特に窓吊りに注意

カーテン付き窓

窓吊り作業は最も危険な作業

別に新築一戸建てに限った話ではありませんが、窓吊り作業は、引越しの作業の中でも、最も事故が起こりやすい、危険な作業です。

窓吊り作業とは、階段では狭くて搬入することができない大きな荷物を、窓から吊り上げる作業です。

引越し業者によってその方法は様々ですが、1本のロープで家具を縛り、2人のスタッフが腕力で吊り上げる方法(これを「手吊り」といいます)が一般的です。

これに加えて、脚立で下から押し上げることもあります。

窓吊りの作業は、スタッフ・建物・家具・家電製品(特に冷蔵庫)に極度の負担がかかる作業です。

このため、負担がかかった家具や建物にキズやへこみが生じる可能性があります。

最悪の場合、荷物が落下する可能性もあります。

まとめ

どの建物であっても、引越しには事故がつきものですが、新築一戸建ての場合は、特に事故のリスクが高いです。

しかも、新築一戸建ての場合は、事故の修理に時間がかかり、しかも修理代も高額になるパターンが多いです。

このため、引越し業者との補償交渉も難航する可能性があります。

このため、事故を起こさないようにすることも重要です。

これに加えて、万が一事故が起こった場合に、引越し業者に補償交渉に応じてもらえるように対処しておくことも重要です。