「引越しの荷造でダンボールに荷物を詰めるときって、いっぱい詰めたほうが、使うダンボールが少なくておトクよね?」と思っていませんか?

こんにちは。引越しの現場で「盛り上がった」ダンボールを見るたびに、苦笑いをしていた、元引越し業者スタッフの管理人です。

引越し業者のトラックのドライバーは、ダンボールを積み重ねて、トラックの荷台に積込みます。

逆にいえば、「積み重ねられる状態」のダンボールでないと、ドライバーは、トラックへのダンボールの積込みで、とても苦労します。

特に、「盛り上がった」ダンボールや、閉じられないダンボールがあまりにも多いと、トラックの荷台で積むこと自体ができなくなります。

ですから、ダンボールの中身の荷物は、9割程度の高さにとどめておいて、しっかりとガムテープで閉じてください。

一部のサイトでは、目一杯詰めることをおすすめするかのような記述がありますが、これは大きな間違いです。

ダンボールに目一杯荷物を詰め込んでしまうと、中の荷物に圧力がかかってしまい、最悪の場合は荷物が破損することもあります。

スポンサードリンク

引越しの準備では「上積み厳禁」のダンボールを作らない

上積厳禁

ガムテープで閉じたら「盛り上がる」ようなダンボールにしてはいけない

荷物をダンボールに梱包するときは、「上積み厳禁」のダンボールは、原則として作ってはいけません。

「上積み厳禁」のダンボールとは、具体的には、ガムテープで閉じたときに、上の部分が「盛り上がっている」ダンボールです。

引越し業者のドライバーは、トラックにダンボールを積み込む際、ダンボールは重ねて積みます。

積み上げられたダンボールは、ダンボール自体の側面で、上の荷物の重量を支えます。

(特に引越し業者の)ダンボールは、意外と強度があります。

トラックの荷台で積み重ねたとしても、意図的に重いダンボールを積み重ねない限り、ダンボールが潰れることは、まずありません。

ダンボールの中の荷物で上のダンボールを支えないようにする

ところが、「盛り上がった」ダンボールは、ダンボール自体ではなく、中身の荷物で、上のダンボールの荷物を支えることになります。

このとき、中身の荷物がワレモノの場合は、荷物が壊れる可能性があります。

具体的には、食器、おもちゃ、CD、DVD、ゲームソフトなどのワレモノは、上からの圧力によって、割れてしまう可能性があります。

そのうえ、「盛り上がった」ダンボールは、上にさらにダンボールを重ねると、グラグラしてバランスが悪くなります。

最悪の場合、上に載せたほうのダンボールが落ちてしまうこともあります。

引越し業者のドライバーの技術にも限度がある

「盛り上がった」ダンボールが多少あったとしても、引越し業者のドライバーは、なんとか工夫してトラックの荷台に積込んでいきます。

例えば、盛り上がったダンボールは、トラックの荷台では一番上に積込む、という方法が、一般的な工夫です。

また、中の荷物の負担にならないように、盛り上がったダンボールの上には、なるべく軽いダンボールや荷物を積む、というのも、ひとつの方法です。

ただ、いくら引越し業者のドライバーが工夫したとしても、ほんのわずかの「盛り上がった」ダンボールしか、対処はできません。

ですから、よほどの事情(途中でダンボールが足りなくなった、など)がない限り、「盛り上がった」ダンボールは作るべきではありません。

引越しの準備でダンボールに荷物を詰めるのは9割程度の高さまで

サイズが違うダンボール

ダンボールの上の部分はヘコむことがある

このように、「盛り上がった」ダンボールは問題ですが、ギリギリまで詰め込んだダンボールにも問題があります。

特に、ワレモノの荷物をダンボールに詰める場合は、ギリギリまで詰めるのではなく、9割程度の高さまでにしてください。

というのも、引越し業者のドライバーのダンボールの積み方によっては、ダンボールの上の真ん中がヘコむことがあるからです。

このように、ダンボールの真ん中がヘコんだ場合、中の荷物がワレモノだったときは、割れてしまうことがあります。

サイズが違うダンボールを積み重ねるとヘコむ

引越し業者のトラックのドライバーは、トラックの荷台では、通同じサイズ同士のダンボールを積み上げていきます。

こうすることで、ダンボールの側面で上のダンボールを支えることになり、下のダンボールがヘコんだり潰れたりしなくなります。

ただ、積み方次第では、違うサイズのダンボールやダンボール以外の荷物をダンボールに積み上げることもあります。

このときに、下になったダンボールがヘコむことがあります。

こうしたことは、特に、引越し業者のダンボールを使うのではなく、お客さまが自前で用意した、サイズがバラバラのダンボールを使う場合に、ありがちです。

参照:引越しのために自分で準備したダンボールの使い方と4つの注意点

特にワレモノは1割程度の空間を残しておく

下のダンボールが上のダンボールよりも大きい場合、上の荷物を下のダンボールの真ん中の部分で、受け止める格好になります。

こうなると、ダンボールの上の面の真ん中の部分に、大きな圧力がかかります。

このときに、ギリギリまでワレモノを詰め込んだダンボールが下にあると、トラックでの運転中に、上に重ねられたダンボールからの衝撃が、下のダンボールのワレモノに直接伝わり、割れてしまいます。

このように、ダンボールが凹むことも考えて、ダンボールの中の荷物(特にワレモノ)は9割程度にしておいて、上の部分には若干の空間を残しておきます。

あるいは、この空間がもったいないと感じる場合は、タオルなど、圧迫されても問題ない布製品などを詰めておきます。

引越しの準備では本や洋服は「目一杯ダンボールに詰めてもいい」

もちろん、洋服などの布製品や本は、ワレモノではありませんので、ダンボールに目一杯詰め込んでも、特に問題はありません。

ただ、さすがにダンボールが「盛り上がる」くらい詰込むと、上に重ねたダンボールがバランスを崩して落ちることもあります。

また、洋服は、あまりダンボールに詰込みすぎると、シワになってしまうこともあります。

ですから、せいぜい、ダンボールの高さで100%までにとどめておいてください。

引越しの準備で本を詰込みすぎると事故・ケガの元

なお、本をダンボールに目一杯詰込むと、かなりの重さになります。

もちろん、引越し業者のスタッフは、お客さまがダンボールに本を目一杯詰込んでも、しっかりと運んでくれます。

ただ、あまりに重いダンボールは、お客さまご自身が動かすときに、事故が起こったり、ケガをしてしまうリスクもあります。

また、あまりに重い本が詰まったダンボールは、底抜けする可能性もあります。

ですから、本をダンボールに詰めるときは、最低限、お客さまがご自分で動かせる重さにしてください。

参照:引越しでの本の梱包・荷造りのしかた―小型のダンボールに持てる分だけ詰める

引越しの準備では「閉じられないダンボール」は作らない

開いたダンボール

ダンボールには入りきる荷物だけを詰める

荷物を梱包したダンボールは、必ずガムテープで閉じてください。

おそらく、引越しの経験が少ないお客様ほど「そんなの当たり前じゃないの?」と思われることでしょう。

ただ、実際に荷物をダンボールに詰めていると、どうしてもダンボールに荷物が収まり切れない状態になることがあります。

そもそも、ダンボールに入りきれないサイズの荷物は、無理に梱包する必要はありません。

ダンボールには、入りきる荷物だけを入れて梱包してください。

閉じられないダンボールでは梱包する意味がない

「盛り上がっている」どころか、ガムテープで閉じられないダンボールでは、トラックの荷台で積み重ねることができません。

ダンボールは、「積み重ねられる」からこそ、荷物を梱包する意味があります。「積み重ねられない」ダンボールでは、ダンボールの意味がありません。

もちろん、閉じられないダンボールも、引越し業者のトラックのドライバーの工夫によって、数個くらいであれば、対処はできます。

ただ、あまりにも数が多い場合は、対処しきれなくなります。

ですから、閉じられないダンボールは、極力作らないようにしてください。

ダンボールは揺らしても音がしないようにする

新聞紙

ダンボールに余分な空間があると荷物が破損する

ダンボールに荷物を梱包するときは、ガムテープで閉じる前に、左右に揺らして、音がしないかどうかを確認してください。

このときに音がする場合は、ダンボールの中身には、余分な空間があるということです。

このような余分な空間がある場合、引越し業者のトラックで運搬している時に、中身の荷物が動いてしまうことがあります。

特に、ワレモノの荷物の場合は、あまり激しく動くと、割れる可能性もあります。

ワレモノのダンボールは食器梱包用紙や新聞紙で隙間を埋める

このような事故にならないように、ダンボールに隙間がある場合は、隙間に荷物(布巾など)を詰めて、ダンボールの中身が動かないようにしてください。

隙間に詰める適当な荷物がない場合は、新聞紙や食器梱包用紙(クレープ紙・クレープペーパー)を詰め込んでください。

これは、特に食器・土鍋・ホーロー製の鍋やおもちゃなど、形が複雑な割れ物を梱包する場合に注意してください。

また、CD・DVD・ゲームソフトなども、隙間があると、意外にケースが割れたりしますので、同じく注意してください。

もちろん、ワレモノが入っていないダンボールであれば、無理に隙間を埋める必要はありません。

【Q&A式】まとめ

いかがでしたか?最後にもう一度、引越しでのダンボールへの荷物の詰め方について確認しておきましょう。

引越しの準備でダンボールに荷物を詰めるときは、目一杯詰めちゃっていいの? 引越しでは、荷物をダンボールに目一杯詰めてはいけません。

ガンボールをガムテープで閉じられないのは論外ですが、ダンボールの上が盛り上がっているのもダメです。

特にワレモノが入ったダンボールは、ダンボールの高さの9割くらいまで詰め込んで、1割は余裕をもたせてください。

なお、洋服などの布製品や本は、ダンボールに10割詰めても大丈夫です。ただし、あまり本をダンボールに詰込みすぎると、お客様ご自身で動かすときの事故やケガの原因となります。

その他にダンボールに荷物を詰めるときに注意することは? 特にワレモノが入ったダンボールは、ガムテープで閉じる前に、左右に揺らしてみてください。

このときに音がする場合は、新聞紙や食器梱包用紙(クレープ紙・クレープペーパー)を詰め込んで、音が出なくなるまで、隙間を埋めてください。

そうしないと、トラックで移動中に、ダンボールの中身が割れることがあります。

この記事の本文で紹介した、「ダンボールの中身は高さ9割まで」というのは、引越しの荷造りのひとつのポイントに過ぎません。

引越しの荷造りでは、他にも気をつける点がいろいろありますが、そうしたことをすべて把握して荷造りをするのは、引越し業者のスタッフでもない限り、不可能です。

しかも、お客様ご自身が梱包したダンボールの荷物は、事故があったとしても、原則として、補償対象外となります。

確かに、お客様ご自身で荷造りをするプラン・パックは、引越し業者に荷造りをしてもらうプラン・パックより、引越しの料金・費用が安くなります。

ただ、お金と引き換えに、時間は使いますし、事故が起こっても補償対象外となり、荷物を失うリスクもあります。

お金は稼げば取戻すことができますが、時間や荷物は取戻すことはできません。

「引越し業者の梱包サービスは高い!」というイメージがあるかもしれませんが、しっかりと無料一括見積もりサービスを使って相見積もりを取ると、それほど高くはなりません。

ですから、今まで引越し業者の梱包サービスを使ったことがないお客様は、これを機会に、一度梱包サービスを使ってみてはいかがでしょうか。