「引越し業者の営業員に見積りを依頼したら、即決を迫られた。後からよく考えてみたら、他の業者からも見積り取ったほうが安くついたのかも・・・」と後悔したことはありませんか？
こんにちは。もっと簡単に引越しの見積もりや価格交渉ができるような仕組みはないものか、と日々考えている、元引越し業者スタッフの管理人です。
かつては、引越し業者に見積りを依頼する場合は、個別に電話をかけて、それぞれの営業員に自宅まで来てもらう必要がありました。
このため、相見積もり自体が非常に手間がかかる作業でした。
最近では、インターネット上の一括見積もり・引越し業者比較サービスにより、多くの引越し業者に一括で見積りの依頼ができるようになりました。
相見積もりも非常に簡単になっています。
結果として、一括見積もり・引越し業者比較サービスを提供している業者の売上は非常に伸びています。
逆にいえば、引越し業者にとって、一括見積もり・引越し業者比較サービスに頼らないと集客が難しくなっていることを意味します。
これは、引越し業者の利用者にとっては、一括見積もり・引越し業者比較サービスには多くのメリットがあることを意味しています。
もっといえば、引越しの料金を安くするには、一括見積もり・引越し業者比較サービスの利用は必須であるといえます。
引越しでは相見積もりは基本
引越しサービスはどの業者も同じサービス
引越しの見積もりの際には、相見積もりが必須です。
引越しのサービスは、引越し元（旧居・積地）から、お客さまが指定した荷物を、お客さまが指定する引越し先（新居・卸地）まで運ぶことを完成させるサービスです（専門的には「請負契約」の一種です）。
これは、細かな違いがあっても基本的にはどの引越し業者が担当したとしても、内容は一緒です。
当たり前の話ですが、A社が担当した場合とB社が担当した場合に、荷物を運ぶ場所に違いが出るわけがありません。
引越し業者としても、実はやることはあまりかわりません（本当は業者によって細かな特徴や傾向がありますが、誤差の範囲でしかありません）。
せいぜい、一部のオプションサービスや使用する専用資材に違いがある程度です。
引越しサービスは差別化できない
つまり、どの引越し業者も基本的には同じサービスを提供しています（問題は、その質にバラつきがあることですが…）。
このように、サービスや商品の内容がほとんど変わらなくなることを「コモディティ化」といいます。
コモディティ化したサービスや商品は、その内容では、ほとんど差別化ができません。
ですから、価格競争になりやすい特徴があります。
もちろん、引越しの料金・費用を安くするには、こうした特徴を上手に活用していく必要があります。
相見積もりで引越し業者間の価格競争を促す
コモディティ化した引越しのサービスの料金・値段を安くしようとした場合、相見積もり＝料金の比較は必須です。
相見積もりを取ると、業者間での価格競争を促すことができます。
引越し業者としては、同業者が非常に多いため、通常は、お客さまからの依頼を断ることはありません。
相見積もりそのものを断るようなこともありません。
もっとも、いわゆる「即決」を求めてくる場合はありますが、このような場合は断るべきです。他に引越し業者はいくらでもあります。
相見積もり＝逆オークションで引越しの最安値を狙う
相見積もりをした場合、（どのくらいまでね粘るかにもよりますが）いわゆる「逆オークション」のような状態になります。
引越し業者の営業員の反応次第ですが、それぞれの引越し業者の最安値で出された見積もりを検討できます。
このため、引越しの見積もりを取る際は、相見積もりが必須といっても過言ではありません。
ただし、引越し業者が一番忙しくなる繁忙期（特に3月・4月）の場合は、あまりにも他のお客さまからの依頼が多くなります。
こうなると、他の時期とは違って、お客さまと引越し業者の立場が逆転して、急に引越し業者が強気になります。その結果、相見積もりを断られることもあります。
一括見積もり・比較サイトを利用する
個別対応の手間がかからない一括見積・比較サイト
かつては、引越しの相見積もりといえば、電話帳やチラシを見て個々の引越し業者にいちいち電話で連絡する必要がありました。
この方法では、非常に手間がかかり、結局数社しか見積もりを取ることができません。
ところが、最近では、インターネットを利用することで、複数の引越し業者に一括で見積もりを依頼することができます。
具体的には、いわゆる一括見積もりや比較サイトを利用すると、多い場合は数十社の引越し業者の相見積もりが可能です。しかも、すべて無料です。
料金の相場がすぐに分かる
かつての一括見積もりサービスや比較サービスは、単に住所や引越し先（新居・卸地）と電話番号を入力するだけのものがほとんどでした。
こうした一括見積もりサービスや比較サービスは、利用した結果、引越し業者からの営業電話が鳴り止まない、ということが普通にありました。
最近でもそのような傾向はないわけではないですが、（一括見積もりサービスや比較サービスの業者にもよりますが）メールだけが送信されてくることも多くなっています。
（逆にいえば、携帯電話の番号の登録が必須の一括見積もりサービスや比較サービスを利用する場合は、登録には十分に注意が必要ということです。）
また、引越し業者から送られてくるメールの中に料金の概算も記載されていることが多くなりました。
つまり、複数の業者の料金の概算＝引越し料金の相場がすぐに分かるようになっています。
引越し業者はある程度高めの料金・費用を提示してくる＝値下げの余地あり
これらの引越し業者から送信されてきた料金の概算をもとに、料金を比較し、交渉することになります。
（あくまで管理人の個人的経験ですが）引越し業者のほうも、実際は値引きを前提に概算を提示している場合が多いようです。
こうした場合、引越し業者の営業員は、ある程度の金額までは、すんなり値引きに応じてくれることが多いです。
また、引越し業者としては、実際に電話で話を聞いたり、訪問見積もりをしてみた結果、思ったよりも手間がかかる現場だった、ということがよくあります。
この場合、心理的には元々提示していた概算の料金・値段を値上げしづらいため、ある程度のマージンを取った＝高めの概算しか提示できないのです。
このような事情があるため、引越し業者の営業員は、一括見積もり・引越し業者比較サービスでの初回の見積もりでは、特に難しくない、手間もかからない引越しであれば、むしろ値引きが前提となる料金・値段を提示してきます。
高品質が売りの大手引越し専門業者は値引きには簡単に応じない
ただ、大手引越し専門業者の場合は、若干傾向が違います。
一般的に、大手引越し専門業者は、料金・費用の安さよりも、高品質を売りにしていて、ブランドイメージを大事にしています。
このため、なかなか値引きには応じてくれにくい傾向がありますし、値引きの金額もさほど多くはありません。
このため、単に安く引越しをしたい、ということを目的に一括見積もりサービスや比較サービスを利用する場合は、最初から大手引越し専門業者を除外するのもひとつの方法です。
最終的には営業員の訪問で正式な見積もりを取る
営業員の目視による現場の確認は必須
なお、一括見積もりサービスや比較サービスを利用するにしても、最終的な見積もりには、どうしても営業員による訪問が必要です。
というのも、引越しの見積もりを正確に出すためには、移動距離や荷物の量（それもお客さまからの自己申告）だけではなく、建物の状態、道路の幅、敷地の作業のしやすさなど、様々な要素が関係していきます。
これらの要素を確認するためには、どうしても引越し業者の営業員による目視での確認が必要です。
ただし、荷物の量が極端に少ない単身者の引越しの場合は、例外として電話だけの見積もりでも対応してくれる場合もあります。
結局は最初に楽をするか途中で楽をするか
一括見積もりサービスや比較サービスのメリットは、業者のリストアップや相場の把握など、最初の段階で楽ができる点にあります。
一括見積もりサービスや比較サービスによっては、引越し業者からの営業電話が止まらない、というデメリットがあります。ただ、引越し業者としても、すでに述べたとおり、実際に訪問しないと正確な見積もりを出すことができないため、やむを得ない点はあります。
他方、自分で引越し業者を選定して、複数の業者に直接アプローチする場合は、最初の段階では個々の業者に連絡を取るため、非常に手間がかかります。
ただ、その後は、しつこい営業の電話などはなく、比較的スムーズに交渉ができます。
どちらの方法で引越し業者にアプローチするかは、そのときのお客さまの状況次第ということです。
まとめ
現在の引越し業界の体制では、相見積もりを取らないと、事実上引越しの料金・費用・値段の金額を安くすることは難しいです（よほど引越しの経験がある場合はべつでしょうが）。
また、一括見積もりや比較サービスを利用した場合、いちいち引越し業者をリストアップする手間が省けます。
ただ、残念ながら、引越し業者の営業員からの電話を断るのは難しいのが実態です。
引越しは安くても数万円、家族単位の引越しともなると、数十万円にもなる「高い」買い物です。
考えてみれば、これだけの高い買い物の料金・費用・値段の金額を安くするのですから、多少の手間がかかるのはやむを得ないと言わざるを得ません（この手間を省くイノベーションがあるといいのですが）。
それでも、一括見積もりや比較サービスを使わずに、自分自身で引越し業者のリストアップをする手間に比べると、随分楽なのではないかと思います。
また、一括見積もりや比較サービスを利用することで、直接引越し業者に申込む場合と違って、特典がある場合もあります。
このような特典を賢く使って、お得な引越しをしてみてはいかがでしょうか。
