「台所の食べ物や調味料の梱包はホンッットに面倒くさい。あれ、なんとかならないの?」と引越しのたびに思っていませんか?

こんにちは。「調味料」と書かれたダンボールを運ぶときは、いつも緊張していた、元引越し業者スタッフの管理人です。

食料品・調味料・飲料・お酒は、梱包に手間がかかり、しかも破損や液漏れ等の原因となります。

また、特に普通のご家庭の食料品や調味料は高価なものではありませんので、時間と手間と料金をかけてまで運ぶ必要のあるものではありません。

このため、よほど特殊な事情がある場合を除いて、食料品・調味料・飲料・お酒などの台所の消耗品は、使い切り、むしろ運ばないようにするのが鉄則です。

場合によっては、捨てる=廃棄処分や、近所の方に差し上げることまで検討してください。

つまり、食料品・調味料・飲料・お酒の準備は、「梱包する」のではなく、「使い切る・捨てる・差し上げる」です。

引越し先(新居・卸地)では、新しい食料品・調味料等の封を切り、気分も新たに新生活をスタートさせましょう。

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ビン・液体の調味料・飲料・お酒は割れ・液漏れの原因

オリーブオイル

「液体」は事故のもと

ガラスのビンや陶器などの割れ物に入っている液体の調味料・飲料・お酒や飲料などは、厳重に梱包しなければ、割れる可能性があります。

これらが割れた場合、それ自体も問題ですが、ダンボールから液漏れした液体によって、他の荷物も汚れてしまうことになります。

実は、割れ物の中でも最も割れやすいもののひとつが、液体が入っている容器です。

これは、液体が入っているために、容器全体が非常に重くなってしまって、結果として少しの衝撃で割れてしまうからです。

もともとスーパーやコンビニで売られている状態、つまり製品の状態の容器であれば、比較的丈夫にできています。

これは、スーパーやコンビニに運ぶことを想定して、運送中に割れない強度の容器にしているからです。

これに対し、雑貨屋、インテリアショップ、100円ショップなどで売っている詰め替え用の容器は、そもそもトラックで運ぶことを想定しておらず、割れやすいものもあります。

特に、安い製品の場合、コスト削減により重い割に脆いものがあり、非常に割れやすいことがあります。

ですから、わざわざ詰め替えて使っている容器は、特に割れないようにしなければなりません。これも、なるべく中身を空にして運びたい荷物です。

「割れ物でない容器」も封を切ったら液漏れの可能性がある

プラスチック製・紙パックの容器のように、割れ物でない容器に入った食料品・調味料・飲料・お酒は、新品であれば特に問題はありません。

ところが、封を切ってしまうと、液漏れのリスクはあります。

特に、ごま油、オリーブオイルなどのオイルにありがちな、ワンタッチ式のキャップの場合、うっかり閉め忘れたり、倒れた衝撃でキャップが外れたりすることもあります。

どうしても「割れ物でない」容器については、油断しがちですが、意外と液漏れのリスクはあります。

このため、使いかけの液体調味料を梱包するとなると、わざわざ厳重に梱包して、隙間なくダンボールに詰める必要があります。

この手間を考えると、果たしてそこまでして運ぶ必要があるのか、疑問です。

なお、ペットボトルのようなスクリューキャップの容器であれば、しっかり閉めておくことで、まず液漏れすることはありません。

ただ、管理人としては、それでも念のため、ビニール袋で入れて梱包して運ぶことをオススメします。

冷凍食品・生鮮食品は引越し業者に運んでもらえない

アイスクリーム

冷凍食品・生鮮食品は事故のもと

たいていの引越し業者は、冷凍食品・生鮮食品は運んでくれません。

当たり前の話ですが、引越し業者のトラックは、冷凍品・冷蔵品に対応したトラックではありません。

ということは、なんの対策もしないで冷凍食品・生鮮食品を運んでしまうと、移動中に溶けてしまって、他の荷物が汚れてしまいます。

また、夏の時期の引越しの場合は、長時間の移動によって、荷物が溶けるだけでなく、腐ってしまうこともあります。

標準引越運送約款でも、次のとおり、「特殊な管理を要する」荷物は、引越し業者は、引受けを拒絶できます。

標準引越運送約款第4条(引受拒絶)
(第1項省略)
2 荷物が次に掲げるものであるときは、当該荷物に限り引越運送の引受けを拒絶することがあります。
(第1号、第2号省略)
(3)動植物、ピアノ、美術品、骨董品等運送に当たって特殊な管理を要するため、他の荷物と同時に運送することに適さないもの
(第4号省略)
出典:国土交通省「標準引越運送約款」

冷凍食品・生鮮食品は計画的に食べきる

以上のように、冷凍食品・生鮮食品を引越し業者に運んでもらうことは、できないものと思ってください。

となると、冷凍食品・生鮮食品は、引越しの前日まで(前日に冷蔵庫の電源を切っておかなければならないため)に食べきらなければなりません。

どうしても食べ切れない場合は、クーラボックスと保冷剤を用意して、ご自身で運ぶ、という方法もあります。

ただ、冷凍食品・生鮮食品は意外に重いですし、かさばって、意外と大きなクーラーボックスがないと運びきれない場合もあります。

もともと大きなクーラーボックスをお持ちでしたらかまわないかもしれません。

…が、「大きなクーラーボックスなんで持ってないよ!」という場合、新しく大きなクーラーボックスや保冷剤を買ってまで運ぶほどのものでしょうか?

どうしても引越し前日までに冷凍食品・生鮮食品を食べきれない場合で、大きなクーラーボックスをお持ちでないのであれば、冷凍食品は、処分することも検討してください。

または、ご近所やお友達に差し上げたり、実家が近くにあるのであれば、実家に引き取ってもらう、一時的に預かってもらうなどの方法も検討してください。

食料品・調味料・飲料・お酒は使い切って引越し先で買い換える

ショッピングカート

使い切る=「梱包しなくていい」状態を目指す

以上のように、食料品・調味料・飲料・お酒は、意外と事故のリスクがあるため、基本的には使いきる、食べきる、飲みきるのが原則です。

特に液体調味料・飲料・お酒の梱包などは、手間と時間がかかるだけで、明らかに時間の労力と無駄です。また、荷物としても余計なスペースを取ってしまいます。

ですから、食料品・調味料は、新しく生活を始める意味も込めて、ぜひ引越し先(新居・卸地)で新しいものに買い換えてください。

使いかけの食料品・調味料・飲料・お酒は、もったいないかもしれませんが、処分することも検討してください。

また、賞味期限が切れていない新品の食料品・調味料・飲料・お酒については、ご近所やお友達の方に差し上げてもいいでしょう。

いずれにせよ、なるべく食料品・調味料・飲料・お酒は計画的に減らすようにしてください。

運んでもいいものは「常温保存可能・液体でない・かさばらない」荷物

逆に引越しの荷物として運んでもいいものは、事故のリスクがなく、無駄にスペースを取らないものです。

食料品・調味料の特徴でいえば、常温保存可能・液体でない・かさばらない―の三点の特徴があるものです。

この特徴さえ満たしていていば、多少重たくても、問題なく運べるものです。

具体的には、以下のようなものです。

  • 穀物(米・小麦粉・)
  • 豆類
  • ナッツ類
  • 乾燥食品(のり、わかめ、昆布などの海藻類)
  • 乾麺(インスタントラーメン)
  • 乾物(鰹節、煮干し)
  • レトルト食品
  • 缶詰
  • 保存食
  • 粉末調味料(塩、砂糖)
  • スナック菓子

引越しの準備の「時短飯」も兼ねて保存食・レトルト食品を消費する

もちろん、これらの荷物は、あくまで「運べる」ものはありますが、大量にあると、余分に料金・費用がかかります。

ですから、できるだけこれらの荷物も、引越し当日までに計画的に消費するべきものです。

引越しの準備は意外に忙しく、日々の食事の準備に手間をかけていられないこともあります。

いい機会なので、これらの保存食やレトルト食品を消費し、食事の準備の時間を節約しましょう。

保存食などは、賞味期限をアップデート?する意味も込めて、食べてしまいましょう。

注意したい「かつての保存食」

なお、常温保存可能な食品でも、注意しなければならないのが、「かつての保存食」です。

たとえば、味噌、梅干しなどの漬物が該当します。

これらは、昔ながらの製法のもの(=無添加で塩分濃度が高いもの)の場合は、常温保存が可能ですので、そのまま引越しの荷物としても運べます。

味噌の場合は、アミノ酸やダシが入っていない、減塩タイプでない、加熱処理をしていない(=麹が生きている)など―こういうタイプのものです。

こういう、本来の保存食としての味噌の場合は、真夏のよほど暑い時期の引越しや、長期間の日程の引越しでない限り、腐ることはまずありません。

逆にいえば、こういうタイプの味噌でなければ、引越しには向きませんので、使い切ってしまうべきです。

梅干しなどの漬物も同じで、昔ながらの塩分濃度が高いもの(梅干しであれば20%)であれば、まず腐りません。

ただ、最近の市販の製品では、このような塩分濃度が高いものはまず売っていませんので、漬物は引越しできないものと考えるべきでしょう。

食料品・調味料・飲料・お酒の梱包・荷造りは意外に時間がかかる

イライラする女性

梱包が難しく手間がかかる液体調味料・飲料・お酒

食料品・調味料・飲料・お酒は、一部の梱包しやすいもの(乾物など)を除いて、意外に梱包に時間がかかります。

特に、ガラスのビンや陶器の入れ物に入った液体調味料・飲料・お酒は、割れないように梱包しなければなりません。このため、非常に手間と時間がかかります。

食料品・調味料・飲料・お酒の梱包は、衝撃、匂い、液漏れなどの対応のため、複数の資材で梱包しなければなりません。

また、ダンボールの中の配置にも気をつけなければなりません。

このため、ある意味では、食器以上に梱包が難しい荷物=最も梱包に手間や時間がかかるものであるといえます。

このような手間があるため、管理人としては、そもそも食料品・調味料の梱包はオススメできません。

まとめ

管理人は、「調味料」と書かれたダンボールの取扱いには、非常に気を使いました。

それは、いちスタッフの立場でも、チームリーダーの立場でも、トラックのドライバーの立場でも変わりません。

他の荷物、たとえば食器などは、誰が考えても「割れやすい」というのがわかりますので、ほとんどのお客さまは厳重に梱包します。

ですから、滅多に事故は起こりません。

ところが、液体の調味料は、お客さまによって、事故のリスクに対する認識がバラバラです。

それこそ、丁寧に気泡緩衝材(エアーキャップ、いわゆる「プチプチ」)でひとつひとつ梱包している場合もあれば、まったく梱包していない場合もあります。

液体調味料は、容器が割れたり、液漏れしてしまうと、それ自体も大きな事故ですが、他の荷物が汚れる、という「二次被害」があります。

もちろん、油であれば汚れが落ちにくいですし、調味料であれば、匂いがついてしまうこともあります。

こうしたリスクに対する認識も、お客さまによってバラバラです。

無駄な事故が起こらないようにするためにも、せめて割れ物の容器に入っている液体の調味料、食品、飲料などは、使い切るようにしてください。

  • 食料品・調味料・飲料・お酒は原則として使いきる、食べきる、飲みきる
  • 消費しきれない食料品・調味料・飲料・お酒・冷凍食品をご近所・お友達・実家にあげる
  • 冷凍食品を「食べきる・ご近所またはお友達にあげる・実感に預ける」