「そういえば、引越し業者のロゴや社名がついた軽トラックって見たことないけど、引越し業者は軽トラック使ってないの?」と思ったこと、ありませんか?

こんにちは。初めて勤務先で載せてもらったトラックが軽トラックだった、元引越し業者スタッフの管理人です。

軽トラックは、主に一人暮らし・単身の引越しに使うトラックです。

一般的な引越し業者では、荷物の積載量が少ない軽トラックは、まず使いません。

では、どのような引越し業者が使っているのかというと、いわゆる軽貨物専門の運送業者が軽トラックを使っています。

法的には、「貨物軽自動車運送事業」を営む運送業者のことです。

なお、軽トラックのドライバーの経験や能力には、バラつきがあります。

このドライバーの経験・能力のバラつきが、軽トラックのリスク・デメリットといえます。

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軽トラックは一人暮らし・単身らしの引越しに使う

軽貨物運送業者

一人暮らし・単身でも荷物が少なめでないと軽トラックには積みきれない

軽トラックは、主に軽貨物専用の引越し業者(貨物軽自動車運送事業者)が使うトラックです。

軽トラックの容量・サイズは5㎥(立方メートル・立米)程度です。主に一人暮らし・単身用です。

せいぜい、単身用の2ドアの冷蔵庫、洗濯機、テレビと、ダンボールが10~20個程度積めればいいくらいです。

ベッドは、シングルであっても、分解式・組立式のものは、ベッドマットが入りません。折りたたみ式のベッドは積めます。

このように、軽トラックでは、荷物が少なめの一人暮らし・単身用の荷物しか運ぶことができません。

ある程度の家具や荷物がある一人暮らし・単身者では、1.5トントラックが必要になります。

大手の引越し業者はまず使わない

なお、軽トラックは、大手の引越し業者は、あまり使いません。

というのも、軽トラックで対応できる引越しは、件数・売上・利益ともにあまり多くありません。

軽トラックに積切れる引越しのお客さまは、ほとんどが「実家から引越しする学生・社会人」のうち、単身パックや1.5トントラックを使わないお客さまです。

当然、荷物の量が少ないため、料金・費用は高くはありません。

その割に、少なくともドライバー1人の人件費は必ず発生しますので、利益はかなり少ないです。

このため、ほとんどの大手の引越業者は、使いませんので、軽トラックを保有していません。

ちなみに、管理人が軽トラックを運転していたのは、古い城下町の引越し業者の支店に勤務していたころのことです。

このような城下町では、軽トラックでないと入れないような道が、当時は普通に残っていました。

直接利用する場合は引越し専門業者かどうかが重要

ダメ出しする男性警察官

軽トラックの会社はドライバーの経験量が不足しがち

このように、大手の引越し業者は、軽トラックを使いません。

つまり、軽トラックを使うのは、引越しの専門業者ではなく、物流や宅配もやっている軽貨物配送業者である可能性が高いといえます(もちろん、軽貨物専用の引越し業者は別です)。

この場合は、ドライバーには、引越しの作業経験がほとんどない可能性もあります。

というのも、すでに述べたように、軽トラックで間に合うような一人暮らし・単身の引越しは、年間を通じて、そう多くあるものではありません。

このため、軽貨物専用の引越し業者でもない限り、ドライバーの絶対的な経験量が不足しがちです。

その会社は本当に「運送業者」ですか?

また、いわゆる「便利屋」などは、そもそも、運送業法にもとづく許可が必要な貨物軽自動車運送事業者や一般貨物自動車運送事業者ですならい場合もあります。

これは、いうまでもなく、運送業の許可を得ていない=無許可で営業している「モグリ」の会社ということになります。

このようなモグリの会社は、法令遵守の点で非常に問題です。

「引越しの手伝いをしているから運送業法の許可は必要ない」という主張をする便利屋もあるようです。

しかし、荷主を保護し、事業者を規制する運送業法の立法趣旨からすると、このような屁理屈が通用するわけがありません。

ですから、軽トラックを使っている「引越し業者」(と称する会社)や「便利屋」を利用する場合は、最低限、運送業の許可を取得しているかどうかの確認が必要です。

また、「便利屋」の場合は、軽貨物配送業者以上に、引越しの依頼件数が少なく、経験が不足している可能性があります。

軽トラックのドライバー室内作業に注意

あせる男性

テレビ・冷蔵庫・洗濯機の事故に注意

上記のように、軽トラックのドライバーは、経験が不足していることがあります。

ダンボールくらいの軽くて扱いやすい荷物であれば、特に問題なく運んでくれるでしょうが、重い荷物となるとそうはいきません。

一人暮らし・単身とはいえ、テレビ・冷蔵庫・洗濯機などは、かなり重い荷物です。

特にドラム式や乾燥機能がついた洗濯機は、非常に重く、経験豊富な引越し業者のエース級のスタッフでも、1人で持つことは滅多にありません。

このような重い荷物を経験不足の状態で運ぶと、荷物が壁や床に接触してしまい、キズやヘコミの原因となります。

建物を養生してくれない!?

もちろん、建物の養生を徹底していれば、ちょっとやそっとの接触では、キズやヘコミはできません。

しかし、困ったことに、軽トラックで引越しをする業者の中には、建物を養生しない業者もあります。

そもそも、軽トラックの容量では、養生用の資材つ積込みと、ただでさえ狭い荷台の場所をとってしまい、荷物が積めなくなります。

このため、「養生をしない」ことを堂々と宣言している会社もあるくらいです(オプションなどで養生してくれる場合もありますが…)。

当然、養生をしないと、事故の確率は非常に高くなります。

「大手引越し専門業者に依頼したのに軽トラックがやってくる?」

困る男性

大手引越し専門業者でも下請け先に丸投げすることがある

「事故起こされても困るし、荷物は少ないけども今回は大手の引越し業者に頼むか…」と思ったアナタ。

残念ながら、大手の引越し業者を利用したからといって、油断はできません。

とある繁忙期の朝、管理人は、目を疑いました。支店内に、複数の某有名軽貨物専門業者の軽トラックとドライバーがいたのです。

管理人の勤務先は、高品質を売りにしている大手引越し専門業者でしたが、その光景を見てあ然としました。

トラックのロゴを見れば、明らかに別の会社だということがわかるのに、制服だけは管理人の勤務先のものを着ているのです。

確かに、その日は引越しの件数が多く、どう考えても自社でさばき切れないほどでしたが。

ですが、ここまでするのか、と呆れたものです(幸い、そのような光景は、その年だけで終わりましたが…)

このような「丸投げ」が不安な場合は、見積もりの段階で、営業員に、他社に下請けに出さないかどうかを確認しておくべきです。

まとめ

管理人自身は、個人的には軽トラックの引越し業者を利用したことがありません。

もちろん、そのような引越し業者を利用するくらいなら、レンタカーのトラックを借りてきて、管理人が自分で引越ししたほうが早く、安全に引越しができる、という特殊な事情もあります。

ただ、そのような事情を除いても、正直なところ、軽トラックの引越し業者を利用したいとは思いません。

管理人は、まだ引越し業者のスタッフとして経験が浅い頃、軽トラックの引越し業者のドライバーと一緒に何度か仕事をしたことがあります。

その際に目にしたドライバーの技術や経験が、明らかに勤務先の先輩のものとは、(悪い意味で)別次元だったからです。

もちろん、数少ない経験の中で、「軽トラックの引越し業者のドライバー=レベルが低い」と断定はできません。

ただ、明らかに単身・一人暮らしの引越しよりも、厳しい条件の引越しを経験している引越し業者のドライバーとは、比べ物にならないでしょう。

確かに、料金・費用の安さという点では、軽トラックの引越し業者も魅力的かもしれませんが、「安物買いの銭失い」とならないよう、慎重に検討してください。